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第1編 株式交換の法律実務

第2 株式交換の法律手続と規制
1 会社法
(6) 株式買取請求権等

(イ) 株式買取請求権
株式買取請求権とは、株式交換に反対する株主が、会社に対して、自己の所有する株式を買い取るよう請求することができる権利をいいます。
(ロ) 株式買取請求権の手続
株式交換に際して、当事会社は、株主に株式買取請求の機会を与えるため、株式交換の効力発生日の20日前までに、株式交換をする旨並びに相手会社の商号及び住所を通知又は広告することになります(会社法785条3項、4項、797条3項、4項)。
株主は、株主総会(種類株主総会も同様です。)に先立って、当該会社に対して、株式交換に反対する旨の通知をし、かつ、株主総会において株式交換に反対した場合には、株式交換の効力発生日の20日前からその前日までの間に、株式買取請求権を行使することができます(会社法785条、797条)。
なお、株主総会の決議を要しない場合及び議決権を有しない株主も、株式買取請求権を行使することは認められており、この場合には、株式交換に反対する旨の意思表示をする必要はありません。
株式買取請求権の効力は、完全親会社となる会社の場合には、株式の代金の支払時に生じ、完全子会社となる会社の場合には、株式交換の効力発生時に生じます。
株式の買取価格は、「公正な価格」とされており、この買取価格について、株主と当事会社との間で協議が調った場合には、当事会社は、株式交換の効力発生日から60日以内にその代金を支払わなければなりません(会社法786条1項、会社法798条1項)。
一方、株式の買取価格について、株式交換の効力発生日から30日以内に、株主と当事会社との間で協議が調わない場合には、株主または当事会社はその日から30日以内に、裁判所に対し、株式の価格決定の申立てをすることができます(会社法786条2項、798条2項)。効力発生日から60日以内に、同申立がない場合、その後、株主は、いつでも株式買取請求を撤回することができます(会社法786条3項、798条3項)。
(ハ) 新株予約権の買取請求
株式交換に際して、完全子会社となる会社の新株予約権者に対して、完全親会社となる会社の新株予約権を交付する場合に、完全子会社となる会社の新株予約権の内容として、そもそもこのような取扱を予定していない場合又は予定していた条件と異なる取扱を受けるような場合には、当該新株予約権者は、会社に対して、自己の所有する新株予約権を買い取るよう請求することができる権利をいいます。
株式交換に際して、完全子会社となる会社は、新株予約権者に新株予約権の買取請求の機会を与えるため、株式交換の効力発生日の20日前までに、株式交換をする旨並びに完全親会社となる会社の商号及び住所を通知又は広告することになります(会社法787条3項、4項)。
新株予約権の買取請求をし得る新株予約権者は、株式交換の効力発生日の20日前からその前日までの間に、新株予約権の買取を請求することができます(会社法787条)。
なお、新株予約権付社債の場合、新株予約権の買取を請求するときは、原則として、社債についても合わせて買取を請求しなければなりません。
新株予約権の買取請求の効力は、株式交換の効力発生時に生じます。
新株予約権の買取価格は、「公正な価格」とされており、この買取価格について、新株予約権者と完全子会社となる会社との間で協議が調った場合には、完全子会社となる会社は、株式交換の効力発生日から60日以内にその代金を支払わなければなりません(会社法788条1項)。
一方、新株予約権の買取価格について、株式交換の効力発生日から30日以内に、新株予約権者と完全子会社となる会社との間で協議が調わない場合には、新株予約権者または完全子会社となる会社はその日から30日以内に、裁判所に対し、新株予約権の価格決定の申立てをすることができます(会社法788条2項)。効力発生日から60日以内に、同申立がない場合、その後、新株予約権者は、いつでも新株予約権の買取請求を撤回することができます(会社法788条3項)。